うちわの歴史


宮廷で用いられた「御所うちわ」がルーツ

「京うちわ」は、うちわ面と柄を別に作り、後から柄を差し込む「差し柄」の構造となっています。宮廷で用いられた「御所うちわ」をルーツとしており、柄はしばしば漆に金彩を施すなど、優美な趣も魅力です。

阿以波では、うちわの骨となる竹の加工から紙の張り合わせ、仕上げまで、すべてを手作業で行います。竹は丹波の四〜五年もの、紙は越前・八尾(やつお)の手漉き楮(こうぞ)紙を、柄の部分は栂(とが)・杉材を用いるなど、国内産の材料にこだわっています。


[うちわの歴史]

紀元前に中国で誕生したうちわが日本に伝わったのは、飛鳥時代のこと。神事や祭礼などにも用いられたほか、貴族が顔の前にかざしたり、時の権力者への献上品とされたりしたようです。江戸時代には、土産物や贈答品、縁日の縁起物としてのうちわも誕生。明治時代には商家や店舗の「配布物」としても利用されるようになり、海外へも輸出されるなど「日本文化の一つ」として現代に至ります。